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Il Rock'n Roll star nel west : Dean Reed

本名 : ディーン・リード (生涯 : 47歳 / 大西部無頼列伝出演時 : 33歳)
誕生日: 1938年9月22日 アメリカ合衆国コロラド州デンバー / 逝去日 : 1986年6月13日 東ドイツ ベルリン
公開西部劇 1967 : 嵐を呼ぶ男スリム / 1969 : 地獄のマシンガン / 1971 : 大西部無頼列伝 / 1971 : 盲目ガンマン

Japanese pamphlet Dean Reed as Ballantine

コロラド州デンバーの牧場主の息子として生まれ、幼少時代をカウボーイとしてならしたロデオの名手。18歳の時にはコロラド山脈の260キロはある山道を僅か22時間で踏破した冒険家でもあった。

その後、2年間で気象学を修め、1958年の20歳にハリウッドにて、キャピタル・レコードからプロの歌手としてデビュー。3枚目に発表されたシングル Our Summer Romance は南米で大ヒットとなる。

トップスターとなったリードは、チリやペルーにてライヴツアーを行い、故郷アメリカを離れアルゼンチンにしばらく滞在、ブエノス・アイレスでは司会を務めるレギュラーTV番組を持つに至った。また、犯罪者の人権問題や核実験廃止などを世に問いかけた平和主義者でもあり、1966年には旧ソ連で、当時の国際関係から見て前代未聞のライブツアーを敢行、後に5度も招聘を受け、東ヨーロッパ全土を股にかけるメガスターとなった。

同年、アルゼンチンを離れイタリアはローマに移住し俳優業をスタート。主に西部劇に出演を重ね、I nipoti di Zorro, Buckaroo, Dio li crea ... Io li ammazzo ! ( 嵐を呼ぶ男スリム ) では映画主題歌も担当した。

その傍ら、一貫して平和主義者であったリードは、ベトナム戦争問題と国際平和条約についても問題提起し続け、1973年には旧東ドイツに移住、レコードアルバムの発表や映画出演と精力的に活動。映画 Blutsbruder ではシナリオを書き Sing, Cowboy sing, El Cantor の2本を自ら脚本、監督した。

1986年、ベルリンにあったマイホーム傍の湖のほとりにリードの遺体は発見された。

夫人と当時17歳であった一人娘を残し、48歳という短命で突発的な最期を迎えた、荒野のシンガー。その死因が自殺であったのか、また他殺であったのかは現在も謎に包まれている。

Sotto a chi tocca! (1972)

誰しも、理由は説明出来ないけど異様に好きだ、というものがあると思います。僕にとってのそれが、この Sotto a chi tocca ! という作品。パロリーニ得意の痛快アクションコメディで、舞台は恐らく 16世紀ヨーロッパ。さる皇女と恋仲である、ディーン・リード演ずる主人公は、彼女との結婚を父である領主に納得させるため、城で催される武術大会の優勝を義務づけられます。前半はその城に辿り着くまでの冒険、そして後半が武術大会です。これだけだと、クラシックな作品に思えますが・・・そこはパロリーニ監督作品、全編を通して常軌を逸した行動、言動の連続、とても正気の沙汰とは思えないシーンだらけです。余りにも楽しい映画なので、登場人物だけでも紹介してみます。役名はフランス版ですが、イタリア原版の直訳ゆえ、意味合いは同じです。

1. ボロキレ (ディーン・リード)
物語の主人公で、いつも乞食同然のボロ切れを纏っている。右端に平手の彫刻、左端に指を刺す手の形の彫刻を施した弦楽器を抱えて旅をしており、その楽器は武器としても用いられる。 喧嘩と乗馬にめっぽう強く、走る速さは常人の5、6倍という凄まじい男。馬鹿でかい帽子と破けて親指の出ているブーツも特徴的。 後半の乗馬シーンではスタントマン無しの、ディーン・リード本人による見事なアクロバット乗馬が見られます。さすが生まれながらのカウボーイ、驚嘆のひとこと!
Fench VHS 2.おっさん (ペドロ・サンチェス)
ボロキレの姉と結婚している為、ボロキレの義理の兄に当たる。しかし、奥さんが恐ろしい上、 義理の弟がでたらめなので、逃げるように出家して牧師になった。旅から帰ってきたボロキレに 隠れ家の教会を発見され、物語に巻き込まれる。役名は、あって無きが如し。ただもう「おっさん」とだけ呼ばれている凄い役。

3.サル (ニック・ジョーダン)
おっさんとボロキレの姉との間に生まれた子供で、ボロキレの甥に当たる。名前の通り、猿の如き身軽さで跳躍する。運動神経の異常発達した超人。ニック・ジョーダンといえば「西部悪人伝 (Sabata) 」「大西部無頼列伝 (Adios Sabata / Indio Black) 」「戦場のガンマン (5 per l'inferno) 」などでお馴染みのスタントマン兼俳優。今回も飛びまくり、終盤はキャノン砲から人間大砲として飛び出します!

4.バーロ (サル・ボルゲーゼ)
サルと兄弟で、ボロキレの甥に当たる。生来のどもりで、コミュニケーションに困難を来しており、頭も弱い。サルと一緒に家畜泥棒などをして生きている自由人。バーロという役名、これだけはイタリア語。意味は「イカサマ師」で、フランス版でも彼だけ原版と同名です。

その他、後半登場する仲間で名前は忘れてしまいましたが、左手をハサミに改造した人物がいます。彼のハサミは、鎖カマのように飛ばすことが可能です。そしてピンとポンという 2m 位ある双子も登場します。2人の得意技は小刻み&高速の卓球系(ピンポン)頭突き。
登場人物名は本当に、こうしたロクでもないものが付いてるんです。いわゆる俗語の汚い表現ばかりを人物名に使用しているのですが、人物達の行動も異常さを極め、序盤から、サル・ボルゲーゼと敵兵士団長による、どもり同士の危険なけなし合いがあります。

「お、オマエ、ど、ど、どもり、っだ、だ、だろ。」
「た、った、た、た、多分。」

また、このボケナスが「お、お、っお・・・」と話そうとすると、全てを言い切るのが遅いものだから、決まってイライラした誰かに殴られる。この作品の日本公開がなされなかった理由はこうした所にあるのかも・・・

後半の武闘大会では全世界の強者達が集います。彼らも異常な人間だらけ。筋肉を見せつけるトルコ系火吹き男や、ひたすら漁網を投げてくる男(そんなレスラーいたなぁ)、ヤンキーテイストなベースボールバット男(って16世紀だぞ・・・!)に眼が血走ったバイキングと思しきマサカリ男、と曲者が揃っています。その中でもインド代表の「インド・コヨコヨ」は最強クラス。華僑俳優のジョージ・ウォンが演じています。このインド・コヨコヨの武器はパチンコ玉サイズの鉄球。これを2つ高速で飛ばして相手の急所を潰す!忍者と空手と、とにかくオリエンタル(というか我が国の曲解じゃないか!)を混ぜこぜにした異様なキャラです。これでインド人という設定もまた凄い。

その他、子役のニコレッタ・エルミも登場、ベッドで悪い役人に向けて尻を振って馬鹿にする爆笑シーンなど見所に次ぐ見所の嵐。 この Sotto a chi tocca ! はひたすら陽気に、頭を空にして一緒に大騒ぎ出来る作品。ディーン・リードも抜群に格好良いです。恐らく主題歌も彼でしょう。めちゃくちゃ熱いオープニングと歌です!ジャンル不要のユニーク極まる作品ですが、無理からカテゴライズすれば、史劇 (Peplum) と西部劇、そしてちょこっとデカメロンといった感じでしょうか。

La morte bussa due volte (1969)

ディーン・リード主演、そしてファビオ・テスティが共演という異色のジャーロ。何が異色かといえば、詳しい方は御存知でしょうが、普通、このジャンルは女優が主演。でもこの作品はアクションシーンもふんだんにあり刑事映画のような趣を持っています。

ウミリアーニの劇中音楽を含め、シナリオから役者まで、僕の大好きな作品です。 わかる人にはわかる、リードとテスティ共演の嬉しさ!リードは私立探偵を演じ、部屋に撃ち込まれる無数の銃弾を掻い潜り、ガラス窓をぶち破って脱出!など他ジャーロにはない派手なアクションを披露。テスティはなんとマザコンの「精神異常の画家」役で、終盤には2人の対決があります。

日本未公開ですがサントラだけ存在し、邦題は「死は2度訪れる」です。僕は残念ながら、現在は廃盤となった日本版を持ってます・・・我慢して Cinevox のディスクを買うべきだった!

Fabio Testi as Francesco Billaverde

[ Storia ] ある夏の夜半、誰もいない海岸で戯れる青年とその恋人らしき女性。やがて2人は砂浜に寝そべり愛を求め合う。女性の首筋に手を這わせる青年、不意に、その手に異常な力が込められた。青年の目は見開かれ、血走る・・・

海岸に面する豪華ホテルのガードマン、エカール (Echard / Mario Brega) は定例の見まわりの為、海岸へ向かったが、懐中電灯に照らし出されたものに愕然とした。うら若き女性の絞殺死体、それはホテルの客である富豪、シモンズ婦人であった。その首には生々しい絞めつけられた跡と、暗闇の中で尚、輝くダイヤモンドの首飾りが残されている。エカールはすぐさま支配人の下へ事件を報告しに向かった。

その翌日、ゴルフを楽しむ、私立探偵ボブ・マーチン (Bob Martin / Dean Reed) の下へ、恋人マリア (Maria Margano / Nadja Tiller) の父であるペペ・マルガ−ノ (Pepe Margano / Leon Askin) がやって来た。シモンズ氏から依頼があると言う。その内容とは昨晩起きたシモンズ夫人殺害の犯人捜索であった。この話の裏に潜む何かを察したボブは、依頼を承諾すると、マリアとの挙式を延期し、マリアの父の協力を得て捜索にとりかかることにした。容疑者は、エカールの証言によって明らかになった、事件の晩、シモンズ夫人と居たというフランチェスコ・ビィッラヴェルデ (Francesco Billaverde / Fabio Testi) という画家である。ボブは海岸の崖上にあるフランチェスコの屋敷へと向かった。

フランチェスコには20歳は年上だろうと思われる妻があった。人里離れ、ひたすら絵を描いて暮らすフランチェスコに過剰な愛情を寄せる妻は、まだ若い夫の浮気にただ目をつぶっているしかないのだ。ボブがやって来た時もフランチェスコは絵を描いていた。ある若い女性の絵、そのモデルはシモンズ夫人そのものである。現時点ではフランチェスコが殺人犯であることに疑いはないかのように思われた。

その頃、ホテルではある事実が明らかになっていた。ホテルの支配人ロカテッリ (Lochatelli / Riccardo Garrone) と共同経営者シャルルはホテル建設にあたり、マフィアであるフェラッティ夫妻 (Adolfo Celi, Anita Ekberg) から法外な金額の借金をし、今だ目途が立たぬうちから返済の要求をされていたのだ。期日は迫っており、もし返済がこれ以上滞ることになれば彼らの命は危うい。その切羽詰まった状況の中、シモンズ夫人の遺体の首にあったダイヤモンドの首飾りが紛失した。それが盗難であると察したエカールは、支配人ロカテッリに報告するも自らを犯人だと糾弾される。その時、エカールは首飾り盗難の犯人にうっすらと感付きはじめたが、確証はない。ホテルのバーテンである女性アンジェラにいきさつを告白すると、その足でフランチェスコの屋敷へ何かを求め赴くのだった。

同時期に、ロカテッリとシャルルもまたフランチェスコの屋敷を訪れた。理由は彼のシモンズ夫人をモデルとした絵画の展覧会をホテルで開催したいというものである。思いもかけぬ申し出に、彼らの差し出す手を握り返すフランチェスコ。だが、一部始終を物陰から覗いていたエカールにっとっては、それが芸術を愛する心からの申し出ではないことが、容易に推察出来たのだった。 フランチェスコの展覧会開催を知ったボブは、ある計画を胸に秘めて会場を訪れた。その計画とは、マリアをフランチェスコに接近させ、この容疑者と目される画家の正体をつきとめることである。案の定、マリアの美貌に惹かれたフランチェスコは、彼女を公園へと誘い口説き始めた。ボブの作戦は功を奏し、マリアは翌日、フランチェスコと海岸で落ち合う約束をとりつけることに成功する。

その間、ボブは海上に出された豪華客船にいた。ロカテッリとシャルルの動向も気になっていたからである。一緒に来たペペは客に混じり、ポーカーに興じている。一向に勝てないぺぺの後ろで、注意深く客を観察していたボブは、その一人がイカサマをしていたことを見抜くと、客は逆上し、派手な乱闘が起った。そして、その騒ぎを聞きつけたロカテッリはなんとかその場を取り繕うも、ボブにその客がロカテッリの仕込んだ人間であることすら見抜かれるや、黙っていてくれと、金での解決を願う。しかしボブは、自分は金で動かぬ人間の上、警察ではなく、一介の私立探偵に過ぎぬと答え、ペペとその場を後にした。ボブとペペはロカテッリもまた、何かを隠していることに気が付いたのだ。そして、ホテルに戻ったボブはマリアに、嘘付きの役目はうんざりだ、となじられるも、引き続きフランチェスコと会うよう頼んだ。フランチェスコとロカテッリの間に、シモンズ夫人殺害と消えたダイヤの首飾りをめぐる何かがあるに違いない。

同日の深夜、事態は大きなうねりを見せ始める。遂に、エカールがロカテッリに関する、ある秘密を掴んだのだ。その秘密を打ち明けにバーにやって来たエカールはアンジェラとの密談の後、足早に外出したが、そこに悲劇が待っていた。計画的にホテルの外に車を止めておいたロカテッリは、エカールに、あたかも偶然出くわしたような素振りで、車で家まで送ろう、と誘う。そして、車に乗り込もうとしたエカールにロカテッリは、トランクに入れたままにしてしまったタバコを持ってきて欲しい、と頼んだ。その申し出に不安な様子を見せながらも承知したエカールが車の後方に回った瞬間、ロカテッリはギヤをバックに入れると、エカールを壁に押しつけ圧迫死させたのだった。

次の夜、ホテルのバーにロカテッリについて聞き込みに行ったボブは、アンジェラが何かを知っていると悟ると、彼女を口説く。根負けしたアンジェラは、ボブを部屋に招待することにしたが、2人がドアを開くと、部屋は何者かによって引っ掻き回されていた。驚きを隠せないアンジェラは、その乱雑な部屋の片隅にあるタンスへと、真っ先に駆け寄った。ボブはそこに求めるものがあるとわかるや、必死に隠そうとするアンジェラを押しのけタンスの裏を探る。そこから出てきたものは、ボブの予想通り、紛失したシモンズ夫人のダイヤモンドの首飾りであった。

アンジェラは、それがエカールに隠して欲しいと頼まれたものだと白状し、エカールが首飾りを発見した場所というのは、ロカテッリの部屋だと言う。ひとつの真実を掴んだその時、ロカテッリの共同経営者シャルルが部下を連れやって来た。その手には拳銃が握られている。シャルル達が来る前にアンジェラを逃がしたボブは、何をしていると問い詰めれても平然とごまかすが、手に握った首飾りを発見され、窮地に陥ってしまう。結局乱闘となり、5人を相手に立ち回ったボブは、シャルルの銃が照明を撃ち抜き、部屋が暗転した隙を突き、辛くも脱出に成功した。

(続きはいつか、気が向いたら書き出してみます。)
edited by Kazu Spara 30.09.2003.